本が苦手なのに電子版(Kindle版)で自閉症の当事者が書いた本を読んだら読書に成功した
前記事で解離性同一性障害とは何かを書いてから時間経ってしまいました。
スマホを変えたのと、アカウント情報が全然思い出せなかったのもあり、家族のことなどもあり。
ちょっと話が逸れるんですが、自閉症に関する本を読むことに成功したので書き残しておきたくなりました。まず、僕は本が殆ど読めません。どういう事?と思われるかもしれませんが、読んだそばから記憶が落ち、内容が全然覚えられなくてただひたすら文字を読んでる作業っていうのが苦痛で覚えてないので読めてもないということです。
後は集中できる状況を作らないと気軽に読めないとか、髪をめくるのがストレスなのとか、細かい事です。
とにかく一言で言うと超苦手!なのです。
ですが、何を思ったか自分でもよくわかりませんが、スマホでなら文章を読めてるから、Kindleストアで何か本を買って読んでみようという気になり、疎い自分でも知ってた自閉症の本を読んでみることにしたのです。
そうしたら、普通に読めすぎて一人で笑ってしまいました。本が良かったのもあるかもしれません。
2日で2冊読んだところで読書らしい記録は止まってますが読みたいと思えば割と色々読めることが分かりました。
その時に読んだ自閉症の方が書いた本の内容もまたすごくて、印象的でした。その本に書いてあるテーマを使い、自分の感想を入れながら自閉症の世界について触れたいと思います。
自閉症とは何かというのは今回の記事では書きません。Wikipedia見れば大体はわかります。
僕は、中学に入って割と直ぐにスクールカウンセラーのすすめで小児科に受診することになりました。いわゆる問題児だったのでスクールカウンセラーがついてたのです。嫌いでしたけど。
小児科で受けた検査や問診により、高機能広汎性発達障害という診断名で診断を受けました。
いわゆるIQテストのようなもの(WISC)を受けた結果を見ると項目ごとの点数のバラツキが異常で、線グラフにした時、ガタガタなんです。
例えば、符号というテストでは処理速度などをはかるのですがそのテスト(項目)では14という数値であったのに対し、迷路というテスト(項目)では8という数値だったりします。
つまり、出来ることと出来ないことの差が激しいのです。それが検査ではっきり表れていたようです。
僕はその頃丁度体に合わないタイプの薬漬けで、いつもふらふらしていてすぐに眠ってしまう感じでしたからテストは苦痛でしかありませんでしたね笑。座ってるだけで精一杯なくらいには苦痛です。
なので、結構テキトーに済ませてしまいました。だからたまたまそういう診断結果になったのかもしれないと密かに思ってましたがその後何回か何年かに渡り受けた検査でも毎回傾向は変わらず、アスペルガー症候群、高機能自閉症など名前は変わりつつも結果今は自閉症スペクトラム障害(ASD)という診断で落ち着いてます。もっと言うと学習障害(LD),注意欠陥・多動性障害(ADHD)を併発してるらしいですが。
ちなみにですが、少し前までは地球ではアスペルガー症候群、高機能自閉症などという診断名が使われていましたが、自閉症スペクトラム障害にまとめましょうみたいな事になり使われなくなりました。
理由は簡単に言うと、そもそも自閉症はスペクトラムである、という事です。
そんな訳で自閉症な僕ですが、周りの方々には理解できないような世界で生きてるらしいです。
僕らからすると自閉症でないみなさんが不思議なんですけど。
その、自閉症でないみなさんが、自閉症の人へ抱く疑問と、それに対しての回答という形式で書かれた、「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」/東田直樹 という本が、僕がKindle版で読んだ本です。
例えば、「筆談とは何ですか?」という疑問に対しては、口で会話をする以外のコミュニケーションだという事、筆談によって本当の気持ちが表現できるようになった事などが書かれています。
僕はいちいち驚いてました。
この疑問に対して書かれている「本当の気持ちを表現出来る」ということに。こんな簡単な感情に僕は気づかなかったのです。正しくは、言語化出来なかった、と言えるかもしれません。
口での会話での困難についても書かれています。
「すぐに返事をしないのはなぜですか?」という疑問に書かれている中で、「答えようとする時に、自分の言いたいことが頭の中から消えてしまうのです。」という一文がありました。
もう、自分の心が喋っているような感覚です。
消えるんです。僕の頭の中でもほとんど同じようなことが起きます。ちなみに、相手の言っていることが分からない訳では無いことも書かれていますがそこも同じです。
簡単な質問でもこの現象は起きます。
「今日何してた?」というよくある質問。もちろん聞きたいことはわかります。でも僕の頭の中では一瞬にして今日の記憶が蘇り、何をしていたか確認していたり、どのようにまとめて言おうか考えている(何時頃に起きて何時頃に活動し始めて…という情報を何してたかという質問に対してどう答えるべきかなど)うちに、何を言えばいいのか分からなくなります。これが時間にして5秒くらいで、「うーん。」とか言いながら考えてますが何を言えばいいか、逆に頭が真っ白になる感じに近い現象が起きて答えられなくなります。
僕は普通に話すことが出来るくらいには会話に問題がないので「寝てたよ!」「生きてた!」というテンプレ的なものを用意しておいて悩んでおいてそういう返事をします笑。
分かってます…お前は何を思い出して答えがそれなんだよって感じに思われてるのは伝わってますよ。
人によってはまたそれか、と思われたりする場合もあります。
それでも毎回一応考えてるんです、答えを。で、結局消えるのです。死ぬほどこのような状況は怒るのですがあまり気にしたことがなかったので改めて言葉で、消えていく、と言われると「ああ!それ!消えるんだよ!」ってなります。
日常生活でなぜ返事がてきとーなのかとか、遅いのかとか、聞かれる場面なんて無いのでその感覚がありながらも自覚がなくて気づかなかった。
という感じに、僕の心の声を知ってるかのような答えを書かれる著者の方にびっくりしまくり。
なんだかんだ1冊は1時間くらいで読み終え、しばらくなんとも言えない気持ちの中で漂ってました。
僕の生きてる世界とみんなが生きてる世界はこんなにも違うところがあって、僕はそのことを理解していても言葉として表現する機会がなかったせいか、気にしなかったせいか、説明ができなかったのに、あっさりとしっくり言葉で説明がついたのです。
だからって何か変わるわけでは無かったのですが、ひとつの感動として心にこの本があるのは何となく嬉しいのです。初めて海外で日本人や日本語を目にした時の感覚に似てるかもしれないです僕は海外行った記憶ないですけど。
文章がごちゃごちゃしててすみません。
まとめると、僕は紙をめくる本ではなくKindle版なら読書が出来たってことです笑